指定文化財
当館所蔵の国指定文化財は重要文化財15点、重要美術品20点を数えます(現在は重要美術品の新しい指定はありません)。これは優れた文化財を後世に残していくための法律、文化財保護法に基づいて指定を受けたものです。
文化財保護法は、昭和24年(1949)に起きた法隆寺の火災による、建物および金堂壁画の焼失という痛ましい事故を受けて成立したもので、文化財をあらゆる災害から守り、日本の文化財を保存・活用し、国民の文化的向上を資することを目的としています。私たち文化財の所有者は、この保護法に則り、貴重な文化財を守り、なおかつ公開することを重要な使命と心得ています。
当館が所蔵する重要文化財のうち、「佐竹本三十六歌仙切 藤原高光」は元々2巻の巻物でした。それを大正8年(1919)に諸々の事情により切断することとなり、諸家に分蔵することとなったのです。当時でも文化財の破壊だ、と問題になりましたが、分断することによって海外流出を防いだという良い面も持っていました。この「佐竹本三十六歌仙切」は、元の姿であれば「国宝」に指定されていてもおかしくないことから「幻の国宝」とも呼ばれています。いずれにしろ現在では起こり得ない事柄に、時代の流れを感じずにはおれません。


